ヤマトヌマエビを飼育するポイント |
ヤマトヌマエビ(…に限らずエビの仲間全般)は水質に敏感な生き物で、熱帯魚は元気なのにヤマトヌマエビだけはいつも死んでしまうという声をよく聞きます。
っと言う訳で・・・
突然ですがヤマトヌマエビを上手く飼育するコツをご紹介したいと思います!
まずはじめに、「ヤマトヌマエビがこんな行動をし始めたら危険だ!」を…
①手を動かしていない
②物陰に隠れてジッとしている
③外部フィルターなどのパイプの上側につかまってジッとしている
④やたら水面近くでジタバタしている
⑤飛び出したり脱走したりする
これらの行動が見られる時は、大抵環境があっていないのが原因です。
では「環境があっていない」という具体的な例とその対策を紹介します。
環境例① セット初期でアンモニア・亜硝酸などが発生している
(※特にソイルなどを使用した水草水槽のセット初期に良く見られるパターンです。セット初期はアンモニアや亜硝酸を分解するバクテリアの絶対量が少ないため、このような事態が起こります。)
環境例①の対策→セット初期はとにかく水換えをするのも一つの方法ですが、試薬を用いてアンモニアや亜硝酸の量を測定し、これらの有害物質がバクテリアに分解されるまでとにかく水換えもせず放置するのが最も有効的です。なぜ水換えをせず放置するのが有効かというと、大量に発生したアンモニアを分解するためには、大量のバクテリア(硝化細菌)も増殖するからです。そして、亜硝酸が測定されなくなった時点でヤマトヌマエビを投入すれば、水質が原因でヤマトヌマエビが調子を崩すことはまずありません。(赤字は2015年10月31日追記)。フィルターの中に有害なアンモニアを吸着してくれるゼオパックなどを入れるのも効果的。ただこの場合は、ゼオパックの効果が切れるとアンモニアが再度発生する可能性があるためあくまで補助的なもの。基本的にはフィルターが機能するようになるまで(おおよそセットしてから2~4週間くらい)は油断は禁物。
環境例② 二酸化炭素が多過ぎる
(※当たり前ですが二酸化炭素を添加した水草水槽で起こる現象です。)
環境例②の対策→二酸化炭素の添加量を減らして、照明を消した夜間などはエアレーションをしてください。
環境例③ 水面に油膜が張っている
(※外部フィルターを使用した水草水槽で見られるパターン。油膜とは水面を覆うように発生する油の膜で、おもに腐敗した水草が原因で起こります。水面を油の膜が覆う事によって水中に酸素が溶け込みづらくなり、結果的に水槽内の酸素量が減りバクテリアの活動を弱めたり直接エビにも害を及ぼします。)
環境例③の対策→油膜は水草水槽ではかなり高い確率で起こります。対策としては水草のトリミング後は必ず水換えをするということや、枯れた水草はこまめに取り除くなどです。ただこれらに気を使っても油膜が出てきてしまう事は多々あるため、油膜を食べてくれる魚(モーリィの仲間がお薦め)や油膜を除去する装置(ADA・ブッパがお薦め)に頼ったほうが賢明です。
環境例④ 水温が高過ぎる
(※これはこの時期(夏場)に最も注意しなくてはいけいない事項ですが、多少水温が高くてもフィルターがしっかり機能していればそれほどエビに影響を与えない場合もあります。それでも限度というものがありますが…)
環境例④の対策→水槽用のファンやクーラーを利用してください。個人的に最もオススメの方法は、水槽を置いている部屋ごとエアコンを入れ(この時の設定温度は28~30℃くらいで充分です。)、水槽用冷却ファンで水槽を冷やすというものです。よく水槽用のクーラーが一番では?っと思われますが、水槽用クーラー自体が高室温下では役に立たないことや、水槽用クーラーから熱風が出てくるなど非効率な部分も多いです。
環境例⑤ エビの外敵となる存在が水槽内にいる
(※シクリッドの仲間やグラミィの仲間は肉食傾向が強く、特に小型海老類は大好物です。そういった魚とエビを混泳させると、エビが警戒してしまって物陰に隠れたまま出てこないということが起こります。)
環境例⑤の対策→魚を購入する前にエビと入れても大丈夫かスタッフにお尋ねください。
2014年9月11日追記
「導入後はしばらく元気なんだけど、知らず知らずのうちに減ってしまう・・・」
・・・っと言う場合は、
甲殻類が必要とする栄養素「カルシウム」が不足していると考えられます。
この場合は、カルシウム分補給のために甲殻類用の餌を与えることにより解決します。
当店ではキョーリンのザリガニのエサ(50g入・¥200)を使用していますが、効果抜群です!
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