アミア・カルヴァのその後 |
たびたび紹介しているアミア・カルヴァに関して興味を持っている方が多いようなので、軽くプロフィールのようなものを紹介したいと思います。
アミア・カルヴァは条鰭綱・新鰭亜綱・(全骨類)・アミア目・アミア科に属する1目1科1属1種の生物学的に極めて珍しい魚で、ガーパイク同様に恐竜の時代に繁栄した全骨類の生き残りといわれます。よくアミアは何の仲間なのかと聞かれますが、強いて言えば同じ全骨類のガーパイクが最も近い仲間といえます。分布に関しては北米大陸のみに生息する魚で、北は五大湖周辺から南はフロリダ半島あたりまでの大西洋側(東側)一帯の低地に広く分布します。主な生息地は流れの緩やかな河川や水草の多い茂った湖沼。生息地の気候は亜寒帯から亜熱帯に属するため、高水温から低水温まで幅広く適応した魚といえます。最大全長にはオスメスで違いが見られ、オスで40~50cm、メスで50cm以上に成長します。自然下では90cmほどに成長すると言われますが、飼育下ではメスでも50cmほどだと思われます。オス・メスで最大サイズが違うほか、外見にも違いが見られ、オスは尾ビレ付け根に眼状斑を持ち(幼魚期はメスも眼状斑が入りますが成長とともに消失します。)、体側に迷彩模様が入り、成熟すると書くヒレが青緑色に発色します。メスは主だった模様を持たちません。日本への輸入は不定期で、全く輸入が見られない年もありますが、3月から5月頃に5cmほどの幼魚が輸入されることが多いです。まれに30cmほどの亜成魚の輸入もみられますが、この大きさのアミアは大変高価です。飼育に際して、基本的に幅広い水質や水温に適応しますが、幼魚期は水質の急変や絶食に弱いので適した水質管理と餌やりが重要です。北米に生息するため高水温に弱いというイメージがありますが、あえて低水温で飼育する必要はなく、特に幼魚期は25から28度のやや暖かめの水での飼育が好ましい(自然下では水温が25度を超えた頃に繁殖し始めます)です。生息地の気候が日本と良く似ているため、通年無加温で飼育することも可能で、むしろ繁殖や婚姻色を楽しむためには常温管理が最も好ましいと思われます(長期飼育のポイントかもしれません)。食性は完全な肉食性。飼育下では餌は選り好みせず何でも良く食べますが、食べ過ぎによって調子を崩すことがあるので注意が必要です。この魚の性質として特筆すべき点は、知能レベルが極めて低い(のではないか?)ということで、ボーっとしている事もあれば突然暴れだしたりと突拍子も無い行動をよく見せます。混泳に関してもその性質が災いする事が多く、全く無関心のこともあれば突然噛み付いたりと、飼育者が全く予測できない行動を見せます。悪気があるわけではなく、餌に興奮して他の魚に噛み付くっといった行動も見られます。こういった一連の行動も飼育してみると愛嬌があるように思われ、この魚の魅力的な部分です。
以上、アミアの簡単なプロフィールでした。
・