ビキール・ビキールとその他のビキールの違い |
ちなみにギニアラプラとは、ギニア便で輸入されるビキールの亜種(subsp.)のひとつで、ラプラディとして最もポピュラーなナイジェリア産ラプラに比べると頭部や身体が細長く、体色も灰色~黒褐色と違いが見られます。ギニア便ではギニアラプラ以外にもビキールの亜種と思われるもののひとつコリバが存在しますが、コリバとギニアラプラでは頭部の形状(口が大きく深くまで裂けている.)や体型(コリバはビキールの中で最も体高が高い.体高が高い分頭部がより鋭角的に見える.)に違いが見られます。ただしこれらの相違点は明確に「ここが違う」と言うものはなく、どれも感覚的なものになってしまいます。っが、見慣れてくると確実に違いが解ってくるのようになると思いますので、よ~く観察してみてください。
上記に挙げたビキールの亜種(亜種とは、同種と言えないくらいの違いは見られるが別種とも言い切れない種の事)に関して、明確な違いを述べることは非常に難しいが、基亜種(亜種とされるものの大元になる種の事)であるビキール・ビキールに関しては分類学的にだれが見ても間違いようのない違いがあります。それはポリプではお馴染みの背中に並んだ小さな背ビレ(小離鰭と呼ばれます)の枚数です。ビキール・ビキールの背ビレ枚数は14~19枚で、私が過去に直接見たビキビキの7割以上は背ビレ枚数が15枚か16枚で、2割強(もっと少ないかもしれません・・・)が17枚以上、14枚と19枚に関しては過去1個体ずつ(ちなみに14枚はワイルド個体、19枚はブリード個体です.)しか見たことがありません。ちなみにビキール・ラプラディの背ビレ枚数は基本的に13~15枚で、そのほとんどが13枚か14枚のため、ビキール・ビキールとビキール・ラプラディの判別を迷った場合は、背ビレの枚数が14枚以下ならラプラディ、背ビレの枚数が15枚以上ならビキビキと断定してしまってほぼ間違いはありません。これだけでは完全に見分けられると言い切れませんので、もうひとつ見分ける方法をご紹介します。それは眼窩間域部分、いわゆる眼と眼の間の額の部分の形状の違いで、眼窩間域がやや膨らんでいる、つまり真横から見た時に頭より眼の位置が下にあるのがビキール・ビキールで、眼窩間域が平たい、つまり真横から見た時に眼の位置が頭部とほぼ面一になっているのがビキール・ラプラディです。ちなみにビキールの亜種のひとつビキール・カタンガエの頭部の形状はビキール・ビキール寄り、つまり眼窩間域が膨らんだ形状をしていると言われます(※以上の情報はピーシーズ・古代魚総覧を参考にしました。)






このように画像で見ても普通のラプラディとの違いが判断出来ないと思います・・・っが、これぞユニアクが自信を持ってオススメする正真正銘のギニアラプラディです。数あるビキールのバリエーションの中でも個人的に最も好きなビキールがこのギニアラプラなんです。ちなみにギニアラプラの輸入の歴史は意外にも古く、ラプラディが初めて日本へやってきた頃、1980年代に輸入されていたラプラディのほとんどが現代でいうところのギニアラプラで、個人的に「伝説のラプラ」と呼んでいるピーシーズ・古代魚総覧(1994年発行)・P.34に載っている「不気味なまでに成長した 撮影実長57cm」として紹介されている個体も写真を見る限りはギニアラプラです。この「伝説のラプラ」を見て黒いラプラディに恋い焦がれた私にとって、最上級のビキールと呼べるのがこのギニアラプラディなんです!
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